王貞治 (21世紀への伝説史)カスタマーレビュー
?「記憶の長嶋、記録の王」といわれ、常に長嶋茂雄の華やかさに隠れてしまう感のある王貞治だが、彼の存在こそ幾世代にも「記憶」していってほしい。そう願わずにはいられない本が出た。愛蔵本のほか、ビデオ2巻で構成されている本書は、地をはうような王の研鑚ぶりと、ひたむきな人となりを、多くのインタビューと貴重な映像資料をそろえて丹念につづったものだ。
ビデオには「気力」「努力」と銘打たれているが、それらは実は王の好きな言葉なのである。前者は「ホームラン王貞治」の副題どおり、通算本塁打868本、オープン戦や日本シリーズを合わせると、その数1032本に上るというホームランの一本一本の歩みが記されている。とりわけ恩師荒川博のインタビューが印象深い。「あの子は素直なんだよ、それがなければ今の王はない